アート

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「アート」
Art – ART FARMER
Stereo / Globe SMJ-7059, 1962(ビクター)/ Argo LP-678, 1960
モダン・ジャズ名盤蒐集会選定盤

60年代中頃までに発売された国内盤のジャケットには、コントラストの強い独特な彩色が施されているものが多くみられます。それはペラジャケをめでる愉しさのひとつなのだけど、残念ながら本作では、オリジナル盤ジャケットの色合いが持つ滋味深な趣を失ってしまったような。
アート・ファーマーがワンホーン・カルテットでアーゴに残した畢生の傑作『Art』。真摯にジャズと向き合った彼の人柄を滲ませ詩情豊かなトランペットが、トミー・フラナガンの趣味良く軽快なピアノに寄り添いながら、聴く度にじわりとしみ込んできます。

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ベイジン・ストリートのブラウンとローチ

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「ベイジン・ストリートのブラウンとローチ」
At Basin Street – CLIFFORD BROWN & MAX ROACH
Mono / EmArcy MC-3003, 1959(キング・レコード)/ EmArcy MG-36070, 1956
エマーシー・ジャズ・シリーズ

キング・レコードが発売した「エマーシー・ジャズ・シリーズ」はペラジャケ時代の優良盤。
当時最重量級のモノラル・フラットディスクは、多少のスリキズなどモノともせず厚みある音を響かせてくれます。なかでも、おそらく1959年の1年間にリリースされたタイトルは、ジャケットがキング社の刻印入り特製ビニール・カバーで丁寧にパッキングされた豪華仕様でした。
グループを離れたハロルド・ランドの後任にソニー・ロリンズを迎えたブラウン=ローチ・クインテットによる本作は、プレスティッジへ吹き込んだ『Plus 4』の姉妹盤。レコードに針を置いた途端、溝の奥に刻み込まれていた濃密なハードバップの薫りが部屋中に立ち籠めるようです。

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ザ・ジョー・ジョーンズ・スペシアル

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「ザ・ジョー・ジョーンズ・スペシアル」
The Jo Jones Special – JO JONES
Mono / Vanguard VY-501, 1960(キング・レコード)/ Vanguard VRS-8503, 1955

クラシック専門レーベルに端を発し、高い録音技術で知られる米国ヴァンガード・レコードによるジョン・ハモンド監修〈Jazz Showcase〉シリーズの一枚。ヴァンガードの国内盤第一弾として紹介されたのが、いわゆる中間派の名演で人気の本作でした。
ベイシー楽団の屋台骨を支えたドラマー、ジョー・ジョーンの希少なドラム・ソロが室温上ぐっと上げる「Caravan」、ベニー・グリーンのトロンボーンに 酔いしれるバラッド「Embraceable You」、2テイク収録された「Shoe Shine Boy」では御大カウント・ベイシーの客演と聴き所も多く、生涯付き合える一枚。

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ジャッキー・マクリーンの芸術

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「ジャッキー・マクリーンの芸術」
4, 5, And 6 – JACKIE McLEAN QUARTET/QUINTET/SEXTET
Mono / Top Rank RANK-5019, 196-(ビクター・レコード)/ Prestige PRLP-7048, 1956
モダン・ジャズ名盤蒐集会 第10回選定盤(1)

ジャッキー・マクリーンにとってプレスティッジの2枚目が、日本盤として最初に紹介された彼のリーダー作でした。
プレスティッジ音源の国内最初期盤は、米国マイナー・レーベル作品を取りまとめ配給していた英国「トップランク・レコード」を通じてビクターから発売されていた。
名演「Sentimental Journey」はワンホーン・カルテットで、盟友ドナルド・バードを加えたクインテットで、テナーにハンク・モブレーを迎えて賑やかにセクステットで。 気心知れた仲間たちとセッションを楽しむ寛いだ雰囲気に誘われて、たびたび手が伸びる愛聴盤です。

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チャーリー・パーカーの芸術

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「チャーリー・パーカーの芸術」
Cahrlie Parker All Star Sextet – CHARLIE PARKER
Mono / Roulette RET-5021, 1960(ビクター・レコード)/ Royal Roost RST-2210, 1956
モダン・ジャズ名盤蒐集会 第7回選定盤(1)

原盤は、1956年にロイヤル・ルーストからリリースされたチャーリー・パーカーのダイアル録音集。
マイルス・デイヴィス、J.J.ジョンソン、マックス・ローチ。溌剌とした若き才能を従えた絶好調のダイアル・レコーディングを比較的良好な音質で聴くことができます。
バードの止め処なく溢れる急速なアドリブは勿論、バラード・ナンバーに見せる天衣無縫なパッセージはもう筆舌に尽くしがたいものです。
権利の関係かアーティスト写真を一切使用せず、バードに見立てたアルト・サックスと5本の譜面台をあしらった国内盤独自のアートワーク。一見安直にも思えるが、コーティングが施された実物のジャケットは碧が深く雰囲気のある佇まいです。

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ロマンティック・ムード・イン・ジャズ

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「ロマンティック・ムード・イン・ジャズ」
Romantic Mood In Jazz(Plays Cole Porter)- SONNY CRISS
Mono / Imperial IMP-5004, 19–(ビクター・レコード)/ Imperial LP-9024, 1956

いかにもイージー・リスニングな駄盤を匂わせるタイトル、レコード店の棚に列んでいてもどれだけの人が手を留めるでしょうか。
そ れでも、物憂げにこちらを見上げる女性に、妖しく目を光らせる黒猫に、ただならぬ雰囲気を感じられれば大当たり。実はこれ、ソニー・クリスのいわゆるインペリアル三部作の一枚として人気の高いコール・ポーター作品集『Plays Cole Porter』。それならば、残りの2枚『Go Man!』『Jazz-U.S.A.』も姿を変えてリリースされていたのではないか?と想像も広がります。
ソニー・クリスやソニー・クラークを“サニー”と呼ぶライナーノーツには昭和の風情が感じられたりもします。
あれもこれもペラジャケを探す愉しみに他ならないのです。

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